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超高齢社会に向けて



高齢化対応住宅 や バリアフリー住宅 ということが話題になって久しいですが、このコラムでは高齢化対応住宅や、その他これから迎える高齢社会に向けての色々なことを、私、クマザワが経験したエピソードをまじえて書き連ねていこうと思います。

昨年、私の実家を建て替えた経験から、これから迎える高齢化対応住宅は色々なことを考えなければならないということを改めて実感しました。前々から、「早く実家の設計をしろ!」などと親父に言われていたのですが、60年ぶりの建て替えとなった家をどのような間取りにしていいか判らず、設計するのをずるずると引き延ばしておりました。高齢者対応の住宅というものはとても難しいとあらためて思い知ったしだいです。特に施主となる高齢者は、自分の意見や考え方を設計者に伝えるでもなく、ただいい家を造ってくれというばかりで、どのようなことからはじめたら良いものか、段差や手すりなどは当たり前のこととしても、肝心な間取りということで行き詰っていたものです。

そんな時に、母親の何気ない「新築した家は行きづらくてしょうがない!」という一言がありました。つまり、以前は茶飲み話をしようと訪問して縁側などで話せたものが、気軽に家の中に入れなくなり、玄関だけしか家の中に入れなくなり、足が遠のいたということでした。この何気ない一言で、私の想像はふくらみ、「新築する際の極端な間取りの変化はボケの原因の一つとなる」ということも何かの本で読んだことを思い出し、設計に取り掛かったのです。


社長実家 1階間取り
設計趣旨は
昔の間取りの位置関係(ゾーニングと言います)を
なるべく変えないこと
玄関だけでなく、どこからでも家の中にいる人に声を掛けられること、入れること。
昔の田の字プランのようにぐるぐると回ることの出来る家であること。
2人で住まうのだが、たくさんの人が集まる場所を
つくること。
寝室は洋室とし、タタミベッドとすること。直接トイレに
いけること。
社長実家 2階間取り
キッチンは対面キッチンとし、2人の時でも
寂しくないこと。
温度差のない家にすること。
たくさんの収納場所や身の回りのこまごまとしたものを収納できること。

以上のような設計趣旨で計画を行い、完成した家は両親から「昔の家と変わらない!」というほめ言葉のような、そうでないようなコメントをいただきました。設計者の私は一人でほくそえんだのですが、この設計は田舎に建つ高齢者の家ということなので、都会に住む人、家族がたくさんいる中での高齢者の家、一人住まいの家など色々なことが考えられます。

このコラムがどのようなコラムになるのか皆目検討がつきませんが、高齢者配慮の住宅として考えをまとめる助けになればよいと思っております。 

熊澤富治雄
2003.12.12



この記事のほかにも、先代社長熊澤のブログ「超高齢社会に向けて」には関連記事が掲載されています。

以下は、そこに記載されている記事タイトルです。クリックしてお読みくださいませ。

目 次
1.
超高齢化社会に備えて
2.
高齢者のためのスロープは危険がいっぱい;高齢者は元気な人が多い
3.
高齢者は住宅に対する思いを伝えられない;段差は適度にあったほうがよい
4.
家の中に温度差がない家を造る
5.
高齢者とベッド
6.
高齢者と照明計画
7.
高齢者とオール電化
8.
ヒアリングと設計提案
9.
思い出の置き場


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